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資生堂 エリクシールシュペリエル エンリッチドリンクルクリーム 解析
水分補給:★★★☆☆
油分補給:★★★☆☆
保湿持続性:★★☆☆☆
伸びの良さ:★★★★☆
酸化安定性:★★☆☆☆(※)
しっとり感:★★★☆☆
サラサラ感:★★★☆☆
敏感肌適正:★★☆☆☆(※)
価格適正:★★★★☆(22g:8,420円)
シワ改善効果部位:表皮型
シワ改善評価値:4.75→4.00(9週間)
シワ改善化粧品の成分解析(解説?)第二弾です。
今回紹介するのは、日本ではPOLAに引き続き2番目の【シワ改善効果】を持つ化粧品として発売された
「エリクシールシュペリエル エンリッチドリンクルクリーム」です。
こちらは有効成分として『純粋レチノール』という成分を配合しています。
同じ【シワ改善効果】なので同じような効果なのかなとみんな思いがちかもしれませんが、
実際のところPOLAのニールワンと資生堂の純粋レチノールは効き方も作用メカニズムも全然違うので
使い方には注意した方がいいかもしれません。
まず「純粋レチノール」という成分は、知っている方も多いかと思いますが
実はそんなに目新しい成分ではありません。
「純粋」とは言っているものの、これは昔から使われている『レチノール(ビタミンA)』とほぼ同一のものです。
資生堂さんが自社製品にレチノールを配合しはじめたのは最近の話ではなく、
随分前からレチノール系化粧品を展開していたのはよく知られた話かと思います。
実際その当時からシワへの効果訴求(乾燥シワを目立たなくするなど)は行っていたものの、
シワ改善の有効成分としての認可は受けていませんでした。
それがなぜ突然認可されることになったのか?というのは業界の色々な裏事情がある気がしますが(苦笑)
まぁPOLAさんのニールワンが認可されたことが深く関係しているでしょう。
(純粋レチノールの認可はニールワンの約半年後)
というのも、POLAのニールワンと単純なシワ改善試験データを比較すると、
ニールワンは12週間で3.50→3.25のシワ改善効果です。
まぁ浅めのシワを若干薄くした程度の効果なんですよね。
(そもそもニールワンは予防作用が優位の成分なので仕方ないとも言えるわけですが)
それに対して純粋レチノールは9週間で4.75→4.00のシワ改善効果を示していて、
単純に言えばシワ改善は数値が大きいものをより小さい数値にする方が凄いことですので
ニールワンが認可されるならレチノールも当然認可されるよねというわけです。
というわけでデータ上の数値を比較すると
ニールワンよりレチノールの方が早く効果が現れやすいですし
しかもお値段もこっちの方がかなり安いです。
(ニールワンと比べて約1/2程度)
というわけで市場でもこちらの方がなんだかんだよく売れているらしいですね。
ただこれは成分の効果メカニズムを考えると普通に頷ける話です。
まずレチノールの効果は今回認可されたものだと
「ヒトの表皮角化細胞におけるヒアルロン酸の産生促進」
です。
ヒアルロン酸をいっぱい作って角層をふっくらさせるからシワを改善できるよ
というもの。
そもそもレチノール(の誘導体など)は古くからトレチノイン治療などで利用されてきた成分で、
レチノールはターンオーバーを促進する成分として有名です。
ターンオーバーを促進するというのは、表皮の1番の下の層(真皮の真上)にある基底層で
皮膚の大元の細胞を作るのを助け、またその細胞の分化を促進する働きです。
人の皮膚は基底層で作られた細胞を分化していく過程でヒアルロン酸などの水分と角層の元になる角質を作っています。
つまり単純に、レチノールのいつもの効果(ターンオーバーを促進する)がちゃんと現れれば、
普通にヒアルロン酸などの量は増えていくということですよね。
「新たな効果」的な表現をしているものの、
実際のところはいつものレチノールの効果を別の視点から説明しただけとも言えます。
中々難しいことを言いましたが、重要なポイントとしては
・レチノールの効果は「表皮」中心である
ということですね。
「表皮」とは皮膚の上層0.2mmの角層・顆粒層・有棘層・基底層からなる部位で、
真皮の上層に位置しています。
POLAニールワンはより深い「真皮」に行かないと効果が無い成分だったのに対して
レチノールは皮膚の比較的浅めの部位、「表皮」で効果を発揮できる成分のため
ニールワンに比べて効果の出方が速いと考えることできますよね。
これがシワ改善評価試験の数値差の理由だと僕は考えています。
ただし、
レチノールの効果の基本が表皮ということは、
「真皮まで到達している深いしわ」への効果は得にくいのではないか
とも言えます。
一見するとより深いシワを改善したデータを取っているのはレチノールですが、
あくまで12週間とかの短い期間ですのでそもそも効果が出るのが遅いニールワンにとっては分の悪い評価試験なんですよね。
だから単純に公開されているシワ改善データの数値だけでレチノールの方が完全に優れていると結論付けることはできないと僕は感じました。
真皮に刻まれるシワを予防して長い目で見て徐々にシワを薄めていくニールワンに対して、
表皮までの乾燥シワをターンオーバーの促進と水分量の増加でスピーディーに薄めるレチノールというイメージで、
あくまで薄めの縮緬皺とかを早めに薄めるのにはレチノールの方がよさそうかなと思います。
しかしシワの成因を防止しているわけではないので、予防作用などはありません。
そしてレチノールというと色々デメリットが多いのも有名ですよね。
まず言わずと知れた「レチノールは皮膚刺激が強い」という話。
実はレチノール(レチノール誘導体も含め)は炎症を誘導する性質が極めて高いと言われていて、
これをレチノール反応とかもっと専門的だと「レチノイド誘発性炎症」とか呼ばれています。
これが出やすいかどうかは完全に体質依存で、
人によってはレチノールに炎症が起きにくい人もいるし、凄く起きやすい人もいます。
なので非常に「使う人を選ぶ」という特性を持っているのがレチノール化粧品の特徴です。
使う時は必ず少量から使ってみて欲しいです。
(僕もしばらく使ってみたところ確かに塗ったところにだけ特殊なヒリヒリ感を感じますね…。)
次に「安定性が非常に悪い」というのも有名で、
本品の場合は酸化安定性を高めるために酸化防止剤のトコフェロールが有効成分配合ですし、
また容器もエアレスチューブを採用しています。
とはいえ、紫外線などでも簡単に酸化されてより刺激の強い誘導体になってしまったりしますので、
日の当たる環境はまずお勧め出来ません。
(基本は夜に使用し、朝は使わない。日中使う時は絶対に日焼け止めと併用が推奨。)
あと水分量を増やすといいながら「結構乾燥しやすい」という特徴も。笑
ターンオーバーを促進すると水分を多く作るようになるのは確かなのですが、
同時に角質の分化も早まるのでポロポロした皮むけのようなものが出やすくなったりします。
これはレチノールの仕様ですね…。。
あと、レチノールとは「ビタミンA」のことなのですが、
これは脂溶性ビタミンなので体内蓄積性を持っているんですよね。
特に妊婦さんはビタミンAを多く摂取すると奇形児出生の確立が上がるとも言われていて、
化粧品の成分ですしそこまでの浸透性があるとは思えませんが、
それでもあまり若い方がバンバン使うのはお勧めできない気がします。
(レチノールにシワの予防効果は無いので、まだシワが無いのに使う必要はありません。)
というわけで純粋レチノールの説明だけでここまで書いてしまったのですが、
最後に簡単にクリーム基剤の構成だけちょろっと説明して終わりますね。
医薬部外品なので結構難しいですが。苦笑
こちらのクリームはPOLAのと比べると水分量もそれなりに入っています。
水、グリセリン、BG、DPG、エタノール…と水分系の成分は主要な成分が全部入っている感じですね。苦笑
エタノールがちょっと入っているので、アルコール過敏症の方は気を付けた方が良いと思います。
エタノールそのものの刺激はこの配合位置ならレチノールに比べれば微々たるものなのであまり気にしなくても良いと思います。
ベースの油分は「テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリトリット」というしっとり系のエステル油ですね。
ベース構成的には結構しっとり目を意識した構成だと思うのですが、
レチノールの特性的に「すごくしっとり!」と感じる人は少ないと思います。
他の成分も色々確認してみても、リンクルショットのような特殊な構成というわけではなく、
普通の資生堂さんによくある系のクリームです。
伸びはかなり良い方だと思います。
あとこういうリンクル系クリームって大体がシワを埋める透明パウダーを入れてたりするんですが、
これはそれが入っていないのは中々好感触な気がします。
それだけレチノールの効果に自信があるのかな?と思えます。
というわけで昔からの前評判通り刺激のデメリットなどはありますし、
予防効果や深い部位への効果は乏しいと言えますが
今あるシワ改善系では浅い部位のシワに対しては最も即効性の高い効果を持つアイテムになっているのではないでしょうか。
(※ちなみに、昨年の9月に「レチノールも真皮に効果があるのが分かった」的なニュースリリースを資生堂さんが出しているものの、これはまだ化粧品ではなく「成分単体」の話であり、さらに厚労省認可などを得ている段階ではないので本記事には反映しませんでした。実際エリクシールの商品広告等には真皮浸透などの文言は一切出てこないので、まだ商品に絡めてはこの件は触れられないということなのでしょう。)
商品紹介
「販売名:資生堂 レチノバイタル クリームV」 新効能「しわを改善する」を取得した医薬部外品のリンクルクリーム。 ヒアルロン酸を生み出し、水分量を増やすことで柔軟な肌に導き、しわを改善する初めての薬用有効成分、純粋レチノール配合。 ハリを与えて保つ、コラーゲンGL配合(水溶性コラーゲン、グリセリン:保湿)
原材料・成分
レチノール*,酢酸DL-α-トコフェロール*
水溶性コラーゲン(F),濃グリセリン,精製水,テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリトリット,1,3-ブチレングリコール,ジプロピレングリコール,エタノール,メドウフォーム油,ポリエチレングリコール1000,メチルポリシロキサン,アクリル酸ナトリウム・アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウム共重合体/イソヘキサデカン/ポリソルベート80,ポリプロピレングリコール,ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油,トリイソステアリン酸グリセリル,ベヘニルアルコール,ヒドロキシエチルセルロース,ポリビニルアルコール,ステアリルアルコール,モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.),ジブチルヒドロキシトルエン,エデト酸三ナトリウム,ピロ亜硫酸ナトリウム,アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム,酵母エキス(3),マリンエラスチン,クララエキス(1),フェノキシエタノール,香料,β-カロチン *は「有効成分」無表示は「その他の成分」
≪使用方法≫ 朝と夜のお手入れの最後に、小さなパール粒1コ分を指先にとり、目や口のまわりなど、しわが気になる部分にやさしくなじませます。 朝お使いになる場合は、レチノールの効果を守るために、ご使用後に紫外線カット効果のある化粧品をお使いください。 医薬部外品
引用元:Amazon
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