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Channel: かずのすけの化粧品評論と美容化学についてのぼやき
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「オロナイン美容法」に警鐘。【オロナイン】を美容目的に使ってはいけないのはなぜか。

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今日はこちらの内容のブログを書いていきます。

 

 

 

 

現在凄い勢いでTwitterで拡散頂いているツイートなのですが、

 

SNSで度々話題になる「オロナイン美容法」についての注意喚起です。

 

まずはなぜこのツイートをすることになったのか?順を追って説明していきますね。

 

 

◎「オロナインを塗ってお風呂or蒸しタオル→剃毛で赤ちゃん肌になる!」というツイートが【18万いいね】…!?

 

件のツイートは僕が指摘した結果既に削除済みなので、もし元ツイートを知りたい場合はTwitterにスクショなどが流出しているのでそちらを探して頂くことにしまして、、

 

 

簡単に概要を説明すると

 

【オロナインを塗って湯船に入るor蒸しタオルで肌を柔らかくして産毛を剃ると赤ちゃん肌になる】

 

という内容を元エステティシャン(ご本人記載)の方がツイートしたところ、

 

2日で【3万リツイート、18万いいね】を瞬く間に獲得して大拡散されていたという状態でした。

 

 

 

ただ、1日目の段階では僕のタイムラインには届いておらず、

 

2日目にようやくフォロワーさんの質問で気づくことができたわけですが…。

 

 

 

「これは非常にまずいな」、と感じました。

 

 

そのときに該当ツリーや引用ツイートなどを拝見したときには

 

まさに大絶賛の嵐で「すごい!」「試してみたい!」みたいなコメントばかり。

 

チラホラ注意のコメントはあったものの、

 

実は最近Twitterの仕様が変更されて、リプライに表示するツイートをツリーの主が厳選できる仕様になっていたため、

 

反対意見はほぼ黙殺されているような状態だったのです。

 

当然批判意見は多くの人の目には届いておらず、凄い勢いで拡散されていました。

 

 

 

 

しかし

 

「オロナイン」は、ご存知の方はご存知だと思いますが、

 

オロナインH軟膏 大塚製薬

 

化粧品ではなく「医薬品」でして、当然シェービング目的に使用するのは本来の使用用途にはありません。

 

 

しかも後述しますが、最近重大な副作用も追加されており、

 

顔面に広範囲に塗布することや加温など、本来想定されていない使い方は大変危険です。

 

 

 

僕は普段SNS上で極力個人をやり玉に挙げる方法は避けたいと考えていまして

 

指摘するにしても言葉はかなり選ぶようにしているのですが、、

 

流石にこれだけ拡散されているとオブラートに包むことが難しかったため

 

以下のように引用リツイートで注意した結果、紆余曲折あり該当ツイートは削除されました。

 

 

 

ただ、該当ツイートが削除されたものをこれ以上拡散させるのは良くないと感じたので「これ以上拡散はお控えください」とコメントで言付けて、

 

新しくこちらのツイートを作成して注意喚起した、という流れです。

 

 

 

元ツイートの拡散が3万リツイートされていたことを考えるとまだ力不足感がありますが、

 

ぜひご協力いただけると幸いです。

 

 

 

 

◎【オロナイン】とは一体どういう薬なのか。

 

 

こちらのブログをずっと読まれている方には今更説明の必要もないと思いますが、

 

 

僕がオロナインの美容利用について注意喚起をするのははじめてではありません。

 

絶対にオススメ出来ないスキンケア…『オロナインパック』について

 

オロナインパック、再燃…?

 

「医薬品の美容利用」について考える

 

 

遡ること2015年辺りから何度か取り上げています。

 

 

 

 

 

ブログ読者の方は美容にかなり詳しい方が多いと思いますのでよくご存知と思いますが、

 

「オロナイン」を何らかの美容法に使おうみたいな話は、

 

数年置きに必ず出てくるルーティーンみたいなものです。。

 

 

 

どなたかが引用ツイートで言ってたのですが、「まるでオリンピックのよう」と…、、これは言い得て妙ですね。。

 

 

 

オロナインは大変ロングセラーで50年以上古くから親しまれている軟膏です。

 

常に自宅に常備されていて、その効果もよくわからず使っている人というのも結構多いんですよね。

 

 

結果、なんかよく分からないけど「万能薬」みたいに捉えられていることがあります。

 

実際Twitterのコメントでも「万能薬だと思っていた」と仰っている人が何人かいらっしゃいました。

 

 

 

「とりあえずなにかしらいい効果がある」、みたいな感覚で利用されている人も多いようです。

 

(中には世代なのか「オロナインって使ったことなかったから保湿剤だと思ってた!」という人も…。)

 

 

 

しかし、

 

そもそも「オロナイン(オロナインH軟膏)」というのは、【第2類医薬品】で、

 

れっきとした「医薬品」…つまりお薬です。

 

 

そして添付文書などを参考にすると

 

オロナインH軟膏 添付文書

◎ 有効成分(1g中)

◆ 成 分
本剤は殺菌作用を有するクロルヘキシジングルコン酸塩を配合した親水性軟膏です。

クロルヘキシジングルコン酸塩液(20%):10mg

◎ 添加物

  • ラウロマクロゴール
  • ポリソルベート80
  • 硫酸Al/K
  • マクロゴール
  • グリセリン
  • オリブ油
  • ステアリルアルコール
  • サラシミツロウ
  • ワセリン
  • 自己乳化型ステアリン酸グリセリル
  • 香料
  • 精製水

 

 

という感じで、

 

オロナインってそもそも有効成分が

 

「クロルヘキシジングルコン酸塩」

 

という成分だけです。

 

 

 

これ、何かというと「殺菌剤」です。

 

菌を殺す力に長けたお薬で、

 

オロナインというのは平たくいうと「消毒薬」なんです。

 

 

傷口に使うのは、傷口の細菌感染を防いで化膿しないようにする→早く治る、

 

ニキビに効くのは、アクネ菌を殺菌するからです。

 

 

 

炎症を抑えるとか、肌の活性を促すとか、そういう効果は全くありません。

 

 

 

実際に「肌の新陳代謝を高める」と仰っていた人もいましたが、

 

全然そんな効果はありません。

 

 

本当に殺菌するだけのお薬なんです。

 

 

 

なので効能も細菌感染で悪化するものや細菌性の皮膚疾患に限られています。

 

 

逆に、例えばなんとなく効きそうな

 

「湿疹」とか「虫刺され」は適応外です。

 

2. 次の部位には使用しないでください。
(1)湿疹(ただれ、かぶれ)
(2)化粧下
(3)虫さされ

 

殺菌剤は刺激がありますので、湿疹部位に塗布すると悪化する場合がありますし、

 

成分の特徴として、虫の毒と化学反応を起こして予期せぬ副作用が起こる可能性があります。

 

 

 

ただの殺菌剤なので、ニキビなどを鎮静する効果は確かにありますが、

 

 

当然涙袋を作ったり二重にしたりそういう効果はありません。

 

あったとしたら刺激で腫れてるだけかな…。

 

 

 

◎産毛剃りでオロナインを使う必要は全くなし!代用製品は?

 

 

産毛剃りに関しても、結局この殺菌剤は何の意味もないですから、

 

潤滑剤になるのは基剤の油分等の効果であって、

 

オロナインである必要は全くないんですよね。

 

 

それこそ似たような親水性のクリームでも同じような効果があると思います。

 

例えばミルふわベビークリームとかが良いかもしれません。

 

 

 

オロナインの肌の柔軟効果はオリブ油が関係していると思うので、

 

こちらは類似の成分として「メドウフォーム油」が含まれていますし、

 

ベース成分も低刺激、かつ肌荒れ防止成分(グリチルリチン酸2K)も配合されている。

 

 

 

ちなみに「ニベアでも良いんじゃないか?」と言っている人が結構いたのですが、

 

これは恐らく上手くいかないと思います。

 

理由としてはニベアは「親水性」ではないからです。(めっちゃオイリーです)

 

潤滑作用はありますが、お湯等では簡単には洗い流せないので、同じ使い方はできないはず。

 

 

 

ミルふわベビークリームは乳化剤として同じステアリン酸グリセリル(SE)が使われていますし、

 

結構お湯等で流しやすい親水クリームです。

 

 

実際に試したわけではないですが、似たように使えると思います。

 

※ただ、そもそも僕は産毛剃り自体反対派です。さらに湿潤状態での剃毛は肌バリアが低下しているため、敏感肌には基本的に勧めません。※

 

 

 

ちなみにオロナインは「ラウロマクロゴール」という界面活性剤を浸透剤として配合しているのですが、

 

このラウロマクロゴールは基本的には化粧品の乳化剤としてはまず使われてない、

 

かなり細胞侵襲するタイプの界面活性剤です。

(ポリオキシエチレンラウリルエーテルという成分で、もはや「洗剤」と言っても良い)

 

医薬品なので浸透性を向上させるために使われているわけですが、

 

そういう意味でも肌には優しくはないのですよね。

 

 

 

ですから顔の皮膚にオロナインを広範囲に適用すること自体が、かなり刺激が強いということは注意した方がいいです。

 

 

 

 

◎オロナイン(クロルヘキシジングルコン酸塩)の「副作用」について

 

 

そして、オロナインをむやみに美容目的に使ってはいけない一番の理由は、

 

その「副作用」です。

 

 

 

【第2類医薬品】は家庭で使える一般用医薬品の一種ですが、

 

「日常生活に支障が出るほどの副作用の恐れがある医薬品」です。

 

 

まず、そもそもクロルヘキシジングルコン酸塩は「殺菌剤」なので、

 

菌を殺す力がある=生物の細胞に損傷を与える

 

ということで、人の肌も同じく細胞の固まりですから、サイズが大きいから殆ど感じないというだけで、

 

肌が弱いと刺激を感じることがあります。

 

これに反応して、発赤や発疹、かゆみなどが起こることがあるのは、古くから報告されていました。

 

 

 

過去にオロナインパックとかして「肌荒れした!」と言っていた方も結構いらっしゃいましたが、

 

この刺激などによるものの可能性があります。

 

 

 

また、これはこちらの副作用としては書いていないですが、

 

【殺菌剤】は大体において肌の上に生息して肌の機能を守っている【皮膚常在菌】の善玉菌と、

 

肌に悪さをする可能性がある悪玉菌とを区別できません。

 

 

そのため長期的にこれを広範囲で連用したりすると、

 

殺菌剤によって皮膚常在菌のバランスが崩れてしまい、

 

逆に外部細菌に感染しやすくなってしまったり、

 

同じ殺菌剤に耐性持った「耐性菌」を作ってしまうなどのリスクが指摘されています。

 

 

ニキビにちょんちょん付ける程度であれば、小範囲なので特に問題はないですが、

 

あまりの広範囲の塗布だと全体的に常在菌環境を乱してしまう可能性があります。

 

 

そういう意味でも、そもそもオロナインの公式に指定されている使用法では、

 

連日連用も5~6日までとされており、それで効果がなければ皮膚科へと記載されています。

 

 

 

つまりあまり長期間使うべき薬ではないのです

 

 

 

 

◎オロナイン、2017年に「アナフィラキシーショック」の副作用が追加!?

 

 

そして、こちらにも書いてあるのですが「ショック(アナフィラキシー)」というのは、

 

 

2017年に新しく追加された副作用です。

 

使用上の注意改訂のお知らせ

 

 

 

クロルヘキシジングルコン酸塩のアナフィラキシー自体は古くから結構報告されていたみたいで、

 

近年では「適用外の使用」によってその頻度が向上していたみたいです。

 

クロルヘキシジングルコン酸塩によるアナフィラキシー反応

 

 

アナフィラキシーショックとは、アレルギーによるショック症状の一つで、

 

クロルヘキシジングルコン酸塩の作用機序は実はまだ完全には解明されていないみたいですが

 

恐らくタンパク質等への損傷がキーになっているようです。

 

 

アレルギーというのは、後天的にも発症することがあり

(茶のしずく事件と同様に)

 

特にその成分と触れる機会が多ければ多いほど、その発症リスクはどんどん上がっていきます。

 

 

日本では医療施術時の消毒剤としても同じ成分を使うことが多いため、

 

日常的にこの成分と接する機会が増えると、その分アレルギーを起こしやすくなっていくわけですね。

 

 

 

一番恐ろしいことと言えば、

 

美容目的に高頻度で使用していた結果、

 

知らず知らずのうちに同成分にアレルギーを発症しており、

(オロナインの配合量だと多少の肌荒れや蕁麻疹程度で終わる場合も多いと予想)

 

その後自身ではアレルギーとは認識しないまま、

 

何かの病気で病院で治療を受けた際などに多量のクロルヘキシジングルコン酸塩を使用した際に、

 

命に関わるアナフィラキシーショックを起こすなどの懸念も十分に考えられます。

 

 

 

しかしこの原因がオロナインとは誰も思わないですし、

 

こういった事象が万一発生しても、原因は【添付文書にない適用外使用】によるものですので

 

メーカーに責任を問うこともできなければ、

 

副作用による「被害救済制度」を受けることもできません。

 

 

 

メーカーも本来の使い方以外で発生した副作用はデータとして集積しないため、

 

社会的には永遠に問題として認識されない可能性すらあるのです。

 

 

 

 

◎【医薬品】を本来の使い方以外で使ってはいけない

 

 

ですから、

 

たとえ本当にまぶたが二重になろうとも、角栓がびっしり取れようとも、

 

添付文書に無い使用法で「医薬品」を利用してはいけません。

 

 

医薬品がなぜ「医薬品」なのか

 

副作用や使い方などをしっかり記載した「添付文書」がなぜ付属しているのか、

 

これをしっかり考えなければなりません。

 

 

 

医薬品というのは、裏を返せば【毒】です。

 

毒を毒で制しているのが薬の世界です。

 

 

その用法用量をしっかり守るから安全に使えるのであって、

 

用法用量を無視したありえない使い方をすれば、

 

想定できない副作用が生じてしまう可能性が非常に高くなります。

 

 

 

 

ちなみに、ここで必ずご留意いただきたいのは、

 

「オロナインは危険な薬である」

 

と言いたいのではありません。

 

 

オロナインはロングセラー50年以上の歴史がある医薬品であり、

 

長く安全に使用されています。

 

 

ニキビや軽い怪我や軽度の火傷などの消毒にとても使いやすいお薬です。

 

 

しかし、これはあくまで正しく使用した場合の話であり、

 

本来の使い方を無視した独自の方法で使用した場合はこの限りではありません。

 

これはほぼすべての医薬品に共通した話です。

 

 

 

僕は「化粧品」や「医薬部外品」の話をするときには、

 

努めて「危険」という言葉を使わないようにしています。

 

これは化粧品や医薬部外品は基本的に安全性を重視して作られているためで、

 

もし合わないとか肌荒れの要素があったとしても、命に関わることは基本的にないですし

 

「危険」という表現はオーバーだと考えているからです。

 

 

 

 

しかし「医薬品」に関しては、「危険」と表現することが普通にあります。

 

これは、医薬品には実際に命に関わるリスクがあるからです。

 

 

 

医薬品は必ず用法用量を守り、安全に使うこと。

 

これは美容どうこう関係なく、健常に生活する上での絶対条件です。

 

 

 

 

これを無視した情報や使用法を推奨することは、今後も僕は絶対に見過ごしません。

 

もしそれで誰かに嫌われたとしても、

 

万が一誰かの命や健康に害があるよりはずっとずっと良いと思うからです。

 

 

 

 

今後もSNSではこういった情報が拡散されることが必ずあると思います。

 

その時は、どうか皆さんも一緒に正しい使い方を啓蒙して頂ければ嬉しいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

あと、最後にこちら、、本当に誤解が多くて…。補足です^_^;

 

 

 

 

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